『八つ墓村』横溝正史 | ぼやき。

『八つ墓村』横溝正史

男性作家の描く女性像と現実の女性の乖離は基本的に激しいと思う。
男性的、女性的気質って確かにあるだろうし、それが面白いとも思うが、古い作品になればなるほど、それが露骨に描かれる。
そこに違和感を抱かずにはいられない。

本編については、さすが名作として評価されるだけのことはある。素直に面白く、スリルのある作品。過去の凄惨な事件、それにまつわる村内の軋轢、双子の老婆、入り組んだ鍾乳洞など凝った設定がいちいち怖い。読んでてぞくぞくしました。こっえぇー。

しかしこの作品における探偵の影の薄さにはびっくり。あれ、噂の金田一耕助ぜんぜん目立ってねーぞ‥?
最終的な謎解き(というか解説)はさすがに彼がやったし、要所要所で仕事はしているが、物語の視点でないためか、探偵要素は薄め。バランス的には悪くないけど、推理小説ファンとしては、もっと探偵の出番多くてもいいのになぁと思いました。もっとも探偵の出番が控えめであるが故に物語の全体的&客観的な視点が欠如し、その不明感からホラー小説的にも読める点が面白いというのもあるんだけど。

結論:面白かったです!!

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