ごーすとはんと | ぼやき。

ごーすとはんと

巻数が進めば進むほど思うんだけど、リライト版を言い訳シリーズと呼びたい。
キツイ言い方ですけど、ちゃんと面白いですよ?
でも「あのときわからなかった、入れられなかった説明・補完」部分の圧力に内容が負けてる気がしちゃうんだよなー‥。
だからその部分が喉に引っかかって、あんまりおいしいと感じない。
逆にもっともったいつけて間をとってほしいところがさらりと流れてしまったりして残念です。「だってみんな知らなかったんじゃない!「無知は言い訳にならない」「あたし、ナルなんかだいっきらいだからね」のくだりとかさぁ。今回の巻なら綾子の部屋だとか優しさだとか相変わらずキャラクターの描き方は好きなんですけどね。
なんだろう、マンガ版のリズムで読んでるせいだと思うんですが、話運びがちょっとくどい。一人称でデータぎっしりはやっぱり合わない気がするなぁ。さすがにうまく調理してあるけど。うん、あんまりおいしくない‥。

ちなみに小野不由美作品の中でうわ怖って鳥肌がたったのは、
・地獄絵図をチョークで地面に書きなぐる子供。
・誰一人真実を話さない田舎の孤島で、風に振り返るとおぞましい量の風車がカラカラ回ってる風景。
・「扉の向こうにコソリがいる」
・縛られて身動きが取れない状態、真っ暗な部屋の中には退治し損ねた吸血鬼、唯一の灯りの先には時計があって、その針がだんだん夜へと近づいていく
・「真由ちゃん、なんで出てきたの?」
‥くらいかな?全部わかったらアナタは彼女のファンですね?
私は直接の流血沙汰よりお化け対決よりこういう不安を煽る系のが怖いなぁ。不穏な気配、その先の嫌なものが予感できる付箋、そういう緊迫感を醸し出すのが彼女は天才的に上手いと思います。読んでてこんなに不安になる作家ってあんまりいない気がする。だからこそ後のスリル感が活きるんだぜ‥!


理解できないことがあったっていいじゃないの、と思う。
人がそれぞれ大切にする物が違うなんて当たり前で、それが自分と違う、理解できないものだったとしても、それがその人の大切な物なんだなあって受け入れるだけでいいじゃない。でもそれが難しい、そんな今日この頃です。他人を大切にするのは本当に難しいなぁ‥‥。

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