『一行の詩のためには…』 | ぼやき。
『一行の詩のためには…』

『一行の詩のためには…』

ベン・シャーン展に行ってきました〜
アメリカの近代画家で社会的時事的な問題を取り上げて描く石版みたいな絵の人、っていう予備知識はそれだけでしたけど、すごくよかった。
すごいゴリゴリ感でした。
まさしく刻み込むように絵を描く人ですね。でもそんなゴリゴリしたタッチですごく繊細な表情を描くのが素敵だなあと思いました。ドイツのユダヤ人処刑を免れた兄弟の抱擁とかすごく優しくて切なくなる。そんなふうに絵に温度がある人で、逆に狂気や怖さの表情はぞっとするほどこわかった。
この人はポスターとか絵本とかレコードのジャケットも作ってたんですが、この絵本がすっごく素敵なんですよ。レプリカが売ってたら絶対買ったのに。娘さんのために書いた本で詩も絵も文字もすごく綺麗でした‥。
わりときつめな色を使うひとなのに、たまにモノクロの絵に淡くつけてある色彩が本当に美しかったです。
あ、そういえば写真もたっくさん撮ってた人で、自分の写真も残ってるんですけど、かっこいい人でしたよ〜。若い頃はもちろん、年をとってからも笑顔が素敵なおじいさんって感じでした。
うん、近代・現代系ってあんまり好みじゃないことが多いから期待はしてなかったんだけど、予想外によかったです。


それにしても、こう今時の若者風の、平たく言うとリア充な方々が美術館にいるの見ると、違和感があるのはなんでなんだろうと考えてたんですが、それはやっぱり美術館が一般的な話題じゃないからだろうなぁ‥
例えば
「スーラのこの絵のこの色使いがちょっと暗い雰囲気で神がかってるよね!!」‥とか
「晩年のモネの睡蓮への入れ込みハンパないよね!!」‥とか。
一般の人には出さない話題じゃないですか‥。間違っても初対面の人とかには持ち出さない話題じゃないですか。
これは文学とか本の話にも通じるんですけど。
だから、"一般の人"が美術館にいるのを見ると、不思議な感じがするんですかね。
だって絵なんか見たって、話題にも使えないし、何も得しないよ?って(笑)
ゴッホ展に人が集まるのも、ベン・シャーン展に人がいないのも、話題性の違いだと思ったりして。
そんなわけで美術って個人的にはけっこう変な趣味だと思っていて、あんまり話題に出さないようにしているみたいです。
みんな好きなように絵を見て、この絵の人物イケメン!!とかうわぁ服装やべぇ!!この画家ぜったい女好きだろとかその程度の感想で見に行ってもいいと思うんですけどね。わたしもけっこうそんなもんだし。意外に楽しいですよ、美術館。役には立たないけど(笑)

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