呑まれるか、探りだすか | ぼやき。

呑まれるか、探りだすか

友人が黒子のバスケにはまりまして、どばっと貸してもらって読みました。
個人的な感想をいうと、"超能力バスケ"っていうか"超次元バスケ"っていうか、そんな印象です。わたし実はスラダンファンでしてね。
中学生のときに貪るように読んだし、最近読み返しもしたから、内容がかなり正確に頭の中に入ってる。
同じバスケをしているからなのか、被るシーンがいくつもあるんですよ。バスケ用語はともかく先輩のアドバイスも対抗策も攻略方法も同じ、とかね。その度に頭の中でスラダンがフラッシュバックしてどうにも作品自体に集中しきれていないなぁ、というのが個人的な感触です。この作者、実は影響受けまくってるんじゃなかろうか。
スラダンと黒子って作品傾向的には似ても似つかないんですけどね。スラダンは「オレが!!オレが!!」、黒子は「君を日本一にしてみせる」です。物語の焦点を自分に置くか他人に置くかがそもそも違う。
あとは話運びのテンション?素人だけど才能のある主人公がだんだんバスケうまくなっていって楽しくなって夢中になって、っていうポジティブな話運びのスラダンと、死ぬほど努力してるけど才能がなくて、天才たちの中で取り残され、それでもバスケにがんばってすがり付いてサポートの技を編み出していくというややネガティブな話運び。

個人的な好みでいえば、私は後者の方がすきなはずなんですが、どちらかというと今のところスラダン>黒子派です。
どうしてかっていうと、黒子くんがたぶんよくわからないから。
黒子くんがそこまでバスケに執着する理由がわからない。
部長とケンカしたり試合に出してもらえなかったり、出してもらえたと思ったら退場ばっかりだったり、でもようやくシュート決められたり、とか、バスケが好きになっていく過程を描いたスラダンと違って、黒子くんはすでにバスケが好きなんです。だから、どうしてバスケにそこまで入れ込むかがよく見えない。見えないからうまく感情移入できない、そんな気がする。
でもわからないからこそ黒子くんの内情の移り変わりの分析とか超楽しそうだし、あと他人を焦点に置く展開的にBL好きにはだいぶおいしいだろうし、人気が出てるのは納得ですな。
うーん、個人的にはもうちょっと全体的に迫力がほしいかなぁ〜
「そう来るだろうと思ってたよ」の方がカッコイイかもしれないけど、「な‥なんだとぉぉぉ!?」の方が読んでて楽しいとかね。


暗い作品が好きと思われがちな私ですが(笑)、実はそうじゃないのよ〜。
暗いんじゃなくて、重い作品が好きなんです。
こう作者が物語を通して、何か一生懸命叫んでるのがわかる話が好きなの。それがバスケ楽しい!!でも全然構わない。
スラダンのすごさは、ただバスケをしているだけなのに、思わずのめりこんでしまうところです。心情分析とか試合見てるだけで伝わってくるし、それを考えて文字にしたらいけないような気さえする。本当に感情表現すごいですよ。楽しいときも辛いときも。桜木くんに目がいきがちですが、ゴリや木暮くんだって泣けるし。絵の迫力が本当にすごい。
桜木くんが成り行きで始めたバスケがいつのまにか死ぬほど好きになっていく。最後の試合、選手生命の怪我をおして出た試合で「(バスケットが)大好きです。今度は嘘じゃないっす」の言葉とかめちゃくちゃずっしり来ます。その最後の無声漫画表現とかやばいから。流川のパス→桜木くんのシュート→二人の初めてのハイタッチとかほんともう言葉がないから。

なんとなく、作者はこのシーンを最後に書きたかったんだろうなぁって気がする。

なにやら熱く語ってしまいましたが、それだけの感動があります。素晴らしい。
圧倒的に物語に呑まれるスラダンとは違って、黒子は物語に隠された心情とか内実とかを探って感動するタイプの作品であるような気がする。
うん、やっぱり二次創作の題としてピッタリですね。
どうでもいいんですが、黄瀬くんを見てると誰かを思い出しそうになってモヤモヤする。誰だろう‥ぜったいいたってこーゆー子!!

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